ジロー伝
すっかり放置してるので、そろそろジローちゃんもやらなきゃ
でもやっぱりただプレイするだけじゃ面白くないなぁ...( ˘ω˘ )
なんてことを考えて
結局
なにか別な物語と結びつけようなんて思い至りました。文章を書くのは元々好きなので(*´-`)
読み物苦手な人は、すっ飛ばしてね( ˘ω˘ )
ジローの方でも遊んでくれる方募集です( *`ω´)笑
撮影とかとかとか←
では早速
プロローグ的な
何かです
ジロー伝
1.
__隣で良ければ、どうぞ
まだ20かそれぐらいの、ミコッテ族の女性が腰掛けていた真新しいベンチの、彼女の隣を僕に勧めた。
__今日はどうして、ここに?
そんなことは、僕が知りたいよ。
肩を竦めてみせると彼女は目元を和らげた。
辺り一面真っ白な空間に、ただポツンと、何処かから切り取られてきたように彼女と、彼女の腰掛けているベンチがある。
__そう
__なら、私と一緒ね
からりと笑って背凭れに背中を預けて、少しだらしの無い姿勢をとる彼女。
__あなたは冒険者?
いや、まだ違う。
正確に言うなら、明日そうなる予定だった。
__だったっていうと?
日が沈んだぐらいに眠ったはずなんだ。故郷の宿屋で。住んでいた貸家は引き払っちゃってやることもなかったし出発のチョコボキャリッジの時間も、早かったから。
そうだ、僕は眠りについた。お気に入りのブーツの汚れを落として、窓の向こう側に日が沈むのを見て大きく息を吐いたことを覚えている。
__そっか、そっか
だから、なぜこんな所にいるのかよくわからなかった。思い出したくても思い出せない。まるで夢でも見ているかのような
...夢?
そうなのだとしたら、やけにリアルな夢だ。座るときに触れたベンチの冷たさも、足の裏に感じる床らしきものの感触も...隣に座る彼女から、なぜか硝煙と煤の香りがするのも。五感で得るもの全てがリアルだった。
彼女は正面を見つめたまま、動かない。何かを考えているようにも見えたし、実際は特に何も考えていなかったのかもしれない。色のないこの世界では、表情がわかりにくいのだ。
色のない世界、といえばそうだし彼女の事を認識できている時点で陰影はあるのだから色というものは存在するのかも、とそこまで考えてやめた。きっとここでのそういう思考は無意味だ。
彼女はちらりと横目に僕を見たかと思えば、そのまま目を瞑って大きく息を吐いた。溜息...とはまた違った身体の中にあった空気を、そのまま吐き出した感じで。ああ、そうだ。僕もこれを、よくやってしまう。
__あ、ごめん癖なの
緊張しちゃってとくしゃりと笑って、彼女は軽やかにベンチから立ち上がった。そんなにわかりやすい嘘なんて吐かなきゃいいのになんて、初対面で思う僕も大概だ。
君は、ここに来る前のことおぼえていないの。
__私は、覚えてるよ
くるりと踵を返して、僕を見た彼女の瞳が揺れて。立ち上がった彼女の足元にはいつの間にか色がついて、焼けて乾いたような濃い色の地面のようなものが見えた。
彼女の瞳が僕の向こう側を見つめている。そんな風に感じてぐるりと首を後ろに向けてみるもそこには変わらずただ白が続いているだけだった。
__そろそろ、君の時間だよ
なんだよ、僕の時間って。
何かを知っているようなその言い方に、自分じゃ知り得ない事なのだろうと思うと少し、腹が立った。
彼女に視線を戻せば、先ほどの格好とはうって変わって印象的な鉢金と比較的軽微な装備を纏って僕を見つめていた。
__気に病むことではないし、これは私の、私だけのお話
__だから、あなたがいつかその事実に辿りついたとしても
__決して立ち止まらないで
なんだよ。
なんだよ、それ!
__ジロー、君には君の物語が
淡く微笑んだ彼女と、白の部屋。
白と陰影以外色のない世界。
足元の、環境状態として不自然な地面と見慣れない軽微な装備姿。
大ぶりの戦斧を背に、彼女は何を、僕に。
簡素な宿屋でびっしょりと汗をかいて起きた僕は、そんな夢の事なんてすっかり忘れていて、ぼうっとする感覚のまま部屋を見回して、ふと目に留まった時計の針の位置に慌てて支度を始めたなんて恥ずかしくて誰にも言えない。
この先に待つ困難を。
苦しみを。
切なさや遣る瀬無さを。
希望を。
僕はまだ、知らない。
To be continued...